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60代になって「最近、人の名前が出てこない」「さっき何を考えていたか忘れてしまう」といった経験をされる方は多いでしょう。
しかし、諦めるのはまだ早い!実は記憶力の低下には明確な原因があり、対策の方法は少なくありません。
本稿では、記憶力低下のメカニズムから具体的な改善方法まで、科学的根拠に基づいてお伝えします。
60代で記憶力が低下するワケ
脳の萎縮は30代から

多くの方が「年を取ったから記憶力が落ちた」と考えがちですが、実は、いわゆる“脳の萎縮”は中年期から緩やかに進行し、40代以降で顕在化しやすいと報告があります(もちろん個人差があります)。
神経細胞の減少により脳のボリュームが徐々に減っていき、60代になる頃にはMRI検査で肉眼でもわかるほど顕著になります。これは自然な老化現象であるのですが、対策の余地は十分あります。
特に記憶を司る「海馬」という部分は、年齢にかかわらず、運動などの習慣で海馬の働きや体積が良い方向に変わりうることが報告されています(※1)。
※1:米国科学アカデミー紀要(PNAS)掲載の論文「Exercise training increases size of hippocampus and improves memory」(https://www.pnas.org/doi/10.1073/pnas.1015950108)より
衰えるのは「思い出す力」?
興味深いことに、アメリカのタフツ大学の研究(※2)では、18~22歳の若者と60~74歳の年配者を対象とした実験で、年齢を重ねても、工夫次第で“覚える力”を良い状態に保ちうることが判明しました。
つまり高齢者の記憶力低下は、「覚える能力」ではなく「思い出す能力」の問題なんですね。
| 年齢層 | 記憶する力 | 思い出す力 |
|---|---|---|
| 20代 | 100% | 100% |
| 60代 | 95-100% | 70-80% |
この違いを理解することで、効果的な対策を立てることができます。
※2:PHPオンラインより https://shuchi.php.co.jp/article/10035
認知症と物忘れの違い
「記憶力が落ちた」と感じると認知症を心配される方も多いでしょう。しかし、単なる物忘れと認知症には明確な違いがあります。
物忘れの場合:
- 何を食べたかを忘れる
- 忘れていることに気づく
- 日常生活に大きな支障はない
認知症の場合:
- 食べたこと自体を忘れる
- 忘れていることに気づかない
- 日常生活に支障をきたす
もし「最近記憶力が落ちた」と自覚があるなら、それは認知症ではなく加齢による自然な変化の可能性が高いといえます。
60代の記憶力アップ実践法
海馬を育てる生活習慣

記憶力向上の鍵となるのが、海馬を健康に保つ生活習慣です。
まず重要なのが睡眠です。睡眠中に脳は情報を整理し、記憶を定着させる作業を行います。6~8時間の質の良い睡眠を確保することで、記憶の定着率が改善されるとされています(※3)。
食事面も重要度は非常に高いです。ビタミンB群や、青魚などに豊富に含まれるオメガ3脂肪酸など、脳の健康維持に欠かせない栄養素を意識的に摂取することが大切ですが、何かしらが欠けている方は多い傾向にあります。青魚、ナッツ類、緑黄色野菜を積極的に取り入れましょう。日常の食生活では不足してしまう栄養素があったり、そもそも意識するのが面倒だったりする場合、サプリメントで補うのも一つの手です(後述)。
※3:Communications Biology掲載の論文「Impact of sleep duration on executive function and brain structure」(https://www.nature.com/articles/s42003-022-03123-3)より
脳トレより効果的な記憶術
一般的な脳トレも効果はありますが、実生活で使える記憶術の方がより実践的です。
特に効果的なのが「繰り返し学習」の正しい活用法。覚えたい情報は、覚えているうちに思い出すことで、繰り返しが一気に楽になります。
例えば、初対面の人の名前を覚える際は:
- 名前を聞いた直後に「○○さんですよね」と確認
- 会話中に2~3回名前を使う
- 別れ際にもう一度名前を呼ぶ
このように短時間で複数回繰り返すことで、長期記憶に定着しやすくなります。
栄養面の補強も
先にも述べた通り、食事だけでは十分な栄養素を摂取するのが難しい場合、サプリメントで補うことも有効な選択肢です。
近年注目されているのが、機能性表示食品として認められた記憶力サポート成分。例えば「GABA」は記憶力を維持する機能が報告されており、DHA・EPAといったオメガ3脂肪酸とともに配合されたサプリメントが人気を集めています。
たとえば機能性表示食品の「リジェネシアメモリー」は、1日2粒で記憶力や認知機能に重要な栄養素を手軽に摂取できるということで注目を集めています。主な含有成分は以下の通り。
- GABA(γ-アミノ酪酸):100mg(機能性関与成分)
- DHA・EPA:魚油由来のオメガ3脂肪酸
- イチョウ葉エキス:認知機能サポート成分
- タウリン:アミノ酸の一種
こうして科学的根拠のある成分が網羅的に含まれているのは大きいですね。迷って時間を消費してしまうよりは、一度以下(↓)より詳細を確認の上、試してみるのも手だと思います。
運動と睡眠の黄金ルール

一定以上の強度の有酸素運動を半年以上継続すると、海馬の状態が良くなる可能性があるということが近年の研究(※4)で明らかになっています。
具体的には:
- 週3回、30分程度のウォーキング
- 階段を使う、早歩きするなど日常的な運動
- 週2~3回の軽い筋トレ
睡眠については、前半に多い“深い睡眠”が記憶の定着に役立つといわれています(※5)。寝る前のスマホを控え、部屋を暗くして質の良い睡眠環境を整えましょう。
※4:筑波大学征矢英明教授の研究(ttps://www.tsukuba.ac.jp/journal/images/pdf/180926soya-1.pdf)より
※5:日本睡眠学会「ノンレム睡眠とレム睡眠」(小山純正氏)の解説(https://www.jssr.jp/basicofsleep2)より
記憶力対策を加速させるコツ
「繰り返し学習」を
記憶力向上で最も重要なのは、効率的な繰り返し学習です。
従来の「何度も書いて覚える」方法ではなく、「思い出す」ことに重点を置きます。覚えたいことがあったら、すぐにメモを見返すのではなく、まず自分で思い出してみる。この作業が記憶を強化するのです。
また、覚えようとする意欲も大切な要素。「年だから覚えられない」というネガティブな思い込みは記憶スイッチをオフにしてしまいます。
社会的交流が脳に与える影響
60代以降では、社会的孤立が認知機能を低下させることがわかっています。
趣味のサークルに参加したり、友人との会話を増やしたりすることで、脳が刺激を受け、記憶力の維持につながります。特に新しいことに挑戦したり、人に何かを教えたりする機会は、脳の活性化に効果的です。
継続のための環境づくり
記憶力の対策で最も大切なのは、上記で紹介した方法の「継続」です。そのためには、無理なく続けられる環境づくりが欠かせません。
いくら情報を集めて理論を学んでも、実際に行動しなければ意味がありません。特に記憶力サポートのためのサプリメントなどは、迷っているうちに時間だけが過ぎてしまいがち。
合わなければやめればいいのですから、記憶力という大切な能力を考えれば決して高いコストではないはず。一度試してみて、自分に合うかどうか判断するのが賢明でしょう。
まとめ
60代からでも記憶力対策となる方法はたくさんはあります。脳の萎縮は避けられませんが、海馬の健康を保つ生活習慣、適切な記憶術、そして必要に応じたサプリメントの活用により、「思い出す力」を鍛えることができます。
重要なのは、年齢をとらわれすぎず、今日からできることを始めること。記憶力は一生の財産ですから、積極的にケアしていきましょう。
