飲み会が盛り上がって、つい飲みすぎてしまった夜。翌朝の二日酔いを避けるために、寝る前にポカリスエットを飲む方法が注目されています。
しかし、この方法は本当に効果があるのでしょうか。ただの都市伝説なのか、それとも科学的根拠があるのか。
今回は、寝る前のポカリスエット摂取が二日酔い予防に与える影響について、科学的な根拠も交えながら詳しく解説していきます。
寝る前のポカリスウェットの効果
脱水症状を防ぐメカニズム

アルコールには強力な利尿作用があり、お酒を飲むと体内の水分が急速に失われます。実際に、アルコール1gあたり約10mlの水分が体外に排出されるといわれています。
この脱水状態こそが、二日酔いの主な原因の一つ。頭痛、吐き気、倦怠感といった症状は、多くの場合脱水によって引き起こされます。
ポカリスエットは体液に近い成分で構成されているため、普通の水よりも吸収速度が速いという特徴があります。寝る前に摂取することで、睡眠中に起こる脱水を予防し、翌朝の症状を軽減できる可能性があります。
アルコール分解に必要な糖分補給
肝臓がアルコールを分解する際には、大量のエネルギーが必要です。特に重要なのが糖分で、分解過程で消費されるブドウ糖の補給が欠かせません。
お酒を飲みすぎると、肝臓がアルコール処理に追われて糖新生が滞り、低血糖状態に陥ることがあります。これも二日酔いの原因の一つとされています。
ポカリスエットには適度な糖分が含まれており、肝臓の働きをサポートする効果が期待できます。寝る前の摂取により、睡眠中もアルコール分解に必要な栄養を供給し続けることができるでしょう。
失われたミネラルの回復

アルコールの利尿作用によって失われるのは水分だけではありません。ナトリウム、カリウム、マグネシウムなどの重要なミネラルも同時に排出されてしまいます。
これらのミネラル不足は、筋肉の痙攣や倦怠感、頭痛などの症状を引き起こす原因となります。ポカリスエットにはこれらの電解質がバランスよく配合されているため、失われたミネラルを効率的に補給できます。
| 成分 | 100mlあたりの含有量 | 効果 |
|---|---|---|
| ナトリウム | 49mg | 体液バランス調整 |
| カリウム | 20mg | 筋肉機能維持 |
| マグネシウム | 0.6mg | 神経伝達サポート |
他のドリンクではだめ?
水との違い
普通の水でももちろん良いのですが、吸収速度と栄養面でポカリスエットが優位です。特に、失われた電解質の補給という点では、水だけでは不十分といえます。
ただし、一番重要なのは何らかの形で水分補給を行うことですから、手元になければ水をしっかり飲んでおきましょう。
経口補水液やアクエリアス
経口補水液(OS-1など)は、ポカリスエットよりも電解質濃度が高く、より深刻な脱水状態に適しています。しかし、塩分濃度が高いため、軽度の二日酔い予防には向かない場合もあります。
アクエリアスはポカリスエットと似た成分構成ですが、やや糖分が少なくカロリーが抑えられています。どちらを選ぶかは個人の好みや体調に合わせて決めるとよいでしょう。
医師が実践する水分補給法
医師880人を対象とした調査では、56%が二日酔い対策として水分摂取を最優先にしていることが明らかになっています(日本経済新聞「医師880人に聞く 自ら実践する二日酔い対策」)。また、27人の医師がポカリスエットやアクエリアスなどのスポーツドリンクを愛用していることも分かりました。
専門家の多くが水分補給を重視している事実は、寝る前のポカリスエット摂取が理にかなった対策であることを裏付けています。
寝る前のポカリスエット摂取は、科学的根拠に基づいた効果的な二日酔い予防法といえるでしょう。ただし、最も確実な対策は適量飲酒を心がけること。お酒との上手な付き合い方を身につけて、楽しい時間を過ごしてください。
