【健康カプセル】猫背の原因と改善法を高平尚伸教授が紹介!

2024年11月3日放送の【健康カプセル!ゲンキの時間】で、骨の変形や内臓の不調など、あらゆる体の不調の原因となる「猫背」の原因や改善法について、北里大学教授の高平尚伸さんが紹介!

目次

猫背が起こす不調

猫背の人が増えている

猫背の人が増えている背景には、生活様式や環境の変化が深く関わっています。近年、スマートフォンやパソコンを長時間使用することが日常化し、子どもから大人、高齢者に至るまで、多くの人々が前傾姿勢を取る機会が増えました。実際に背骨のカーブを計測した調査によると、小学生の約3割が猫背であることが判明しています。さらに、大学生になるとその割合は約半数に増加し、社会人や高齢者になると8割から9割が猫背である可能性が示されています。

これは単なる姿勢の問題にとどまらず、現代社会の生活習慣の象徴ともいえます。テレワークの普及や長時間のデスクワーク、スマホを見ながらの移動など、日常的に前屈みの姿勢を維持しやすい環境が整っているため、特に若い世代から高齢者にまで猫背が広がりやすくなっています。

このような背景から、猫背は単なる姿勢の乱れではなく、生活習慣が反映された結果であることがわかります。社会全体で意識的な姿勢の改善が求められる時代といえるでしょう。

猫背が起こす体の不調

猫背は見た目だけでなく、さまざまな体の不調を引き起こします。まず、骨の変形が挙げられます。猫背の姿勢が習慣化すると、背骨が本来の自然なカーブを失い、過剰に湾曲する状態になります。これにより、頚椎や胸椎、腰椎への負担が増加し、椎間板ヘルニアや腰痛の原因となることがあります。

また、猫背は内臓にも影響を与えます。前屈みの姿勢は胸部を圧迫し、呼吸が浅くなることで酸素の供給が減少します。この状態が続くと、全身の血流が悪くなり、疲労感が抜けにくくなります。加えて、胃腸が圧迫されることで消化不良を引き起こし、腹部の膨満感や便秘などの症状も見られることがあります。

さらに、猫背は自律神経のバランスにも影響を及ぼします。姿勢の崩れは交感神経を優位にしがちで、これにより緊張感やストレスを感じやすくなります。これらの理由から、猫背は身体的な問題だけでなく、精神的な不調の一因にもなり得ることが明らかです。

猫背対策を考えよう

猫背の3タイプ

猫背には主に3つのタイプがあります。それぞれの特徴を理解することで、自分の姿勢を客観的にチェックすることができます。

  1. 首猫背:首が前に突き出た状態です。スマートフォンやパソコンを使用しているときに多く見られ、肩こりや頭痛を引き起こしやすいです。簡単なチェック方法は、壁に背中をつけて立ち、後頭部が壁につかない場合、首猫背の可能性があります。
  2. 背中猫背:背中が丸まっている状態です。デスクワークが多い人に見られ、胸椎が過剰に後弯していることが特徴です。このタイプは肩甲骨周りの筋肉が固くなりやすく、肩こりや背中の痛みが起こりがちです。鏡の前に立ち、肩の位置が前方にずれている場合、背中猫背の兆候です。
  3. 腰猫背:腰が丸まり、骨盤が後傾している状態です。長時間椅子に座る姿勢や運動不足によって引き起こされやすいです。このタイプでは、腰痛や座骨神経痛の原因となることが多いです。簡単にチェックする方法としては、立った状態で骨盤を前後に動かした際にスムーズに動かない場合、腰猫背である可能性が考えられます。

猫背の原因「ファシア」とは

猫背の根本的な原因の一つに「ファシア」があります。ファシアとは、筋肉や内臓を包み込む結合組織のことで、身体全体に網の目のように広がっています。このファシアは本来柔軟性を保つことで、関節や筋肉の動きを円滑にしています。しかし、悪い姿勢や同じ姿勢を長時間続ける生活習慣によって、ファシアが硬くなり、体の可動域が制限されることがあります。これにより、猫背が引き起こされるのです。

ファシアを硬くする悪癖「首タイプ」

首猫背の原因として、ファシアの硬直が挙げられます。スマートフォンやパソコンを使用する際、長時間にわたって前屈みの姿勢を続けることが一般的です。この姿勢は首のファシアを緊張させ、徐々に硬くしてしまいます。結果として、首が前に突き出る姿勢が習慣化され、首猫背が引き起こされます。意識的にスマホやパソコンを目の高さに上げて使うなど、日常の小さな工夫が重要です。

ファシアを硬くする悪癖「背中タイプ」

背中猫背は、背中部分のファシアが硬くなることによって生じます。特にデスクワーク中に背中を丸める姿勢は、背中のファシアに長時間の負担をかけます。これが続くと、ファシアの柔軟性が失われ、背中が丸まった状態が固定されやすくなります。背中猫背の予防には、デスクワーク中の定期的な立ち上がりや、胸を開くストレッチが効果的です。

ファシアを硬くする悪癖「腰タイプ」

腰猫背は、腰のファシアが硬直することによって引き起こされます。椅子に長時間座る姿勢や運動不足が原因となり、骨盤周辺のファシアが硬くなります。これにより、骨盤が後傾し、腰猫背の姿勢が定着しやすくなります。日常的に骨盤を正しい位置に保つためのストレッチや軽い運動を取り入れることが、腰猫背の改善につながります。

ファシアを柔軟に保つためには、姿勢改善の意識を高めると共に、定期的なエクササイズを行うことが大切です。

猫背のタイプ別エクササイズ

猫背を改善するためには、自分の猫背タイプに合わせたエクササイズを行うことが効果的です。以下では、首猫背、背中猫背、腰猫背それぞれのタイプに適したエクササイズを紹介します。

首猫背向けエクササイズ

首猫背を改善するためのエクササイズとして、首のストレッチが有効です。例えば、以下の方法があります。

  1. 椅子に座り、背筋を伸ばします。
  2. 手を頭の後ろに軽く添え、ゆっくりと首を後ろに倒します。
  3. 10秒間キープし、ゆっくり戻します。

このストレッチを繰り返すことで、硬くなった首周りのファシアをほぐし、姿勢を整える効果があります。

背中猫背向けエクササイズ

背中猫背には、背中を開くストレッチや肩甲骨を動かすエクササイズが効果的です。

  1. 立った状態で、両手を後ろで組み、肩甲骨を寄せるように胸を開きます。
  2. 10秒間キープして、ゆっくりと戻します。
  3. この動作を数回繰り返します。

肩甲骨周りを動かすことで、背中のファシアの柔軟性を高めることができます。

腰猫背向けエクササイズ

腰猫背に適したエクササイズとして、骨盤を正しい位置に戻すストレッチが有効です。

  1. 仰向けに寝転び、膝を立てます。
  2. ゆっくりと骨盤を前後に動かし、腰の緊張をほぐします。
  3. 10回ほど繰り返し、腰周りのファシアを柔らかくします。

このエクササイズを継続することで、腰猫背の改善に役立ちます。

自分の猫背タイプに合ったエクササイズを行うことで、ファシアを柔軟に保ち、姿勢の改善が期待できます。

よかったらシェアをお願いします
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次